あらすじ
部屋に篭り他人と関わろうとしない少女・天沢響は、姉の鳴によって友人である阿久津輝とその恋人・片瀬美優の引越しの手伝いに連れ出されてしまう。響が新居の床下を見つめることを不思議に思った輝は、床下に入って謎の“箱”を発見する。引用元:樹海村 - Wikipedia
予告
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※2025年2月の配信状況になります。
最新の状況は各配信サイトをご確認下さい。
血筋の三部作
清水崇監督の2020年公開の『犬鳴村』、2021年公開の『樹海村』に続く2022年公開の恐怖の村シリーズ第3弾『牛首村』。清水崇監督はこれらを「血筋の三部作」と表現しており、今作で物語も一区切りということになります。
但し、三部作という表現は、物語が連続しているという意味では決してありません。
『犬鳴村』では、虐げられてきた村の者たちの悲劇的な過去を知り、その血筋の生き残りとして生きていくことを決意し、
『牛首村』では、双子の内の一人を忌み子として葬る風習から逃れようとする双子を描いた物語でした。
『樹海村』ではどうだったでしょうか?順を追って説明します。
検索に気まずいシーンってワードがあったので断言します。そういうシーンないです!気持ちきつめのグロが一瞬あるくらいなので気にしないで下さい(気にする)!
視聴後の閲覧を推奨します。
箱の発見と不幸の始まり
樹海付近の道路で車を運転している中年男性は、助手席の女性に何やら説教をしている。そこに突然樹海から飛び出してきた少女2人。中年男性に保護されている所で場面転換。
天沢響は人との関わりを避け部屋に籠る消極的な少女。しかし、ある日姉の鳴とその彼氏鷲尾真二郎によって友人(阿久津輝とその恋人の片瀬美優)の引っ越しの手伝いに参加することに。引っ越し先で床下を見つめる響。輝はそれを見て床下に入り箱を見つける。家主の小宅というおじさんが箱を代わりに処分しようとした瞬間トラックに轢かれ死亡。その後、美優も引っ越し作業中の怪我で妊娠していた子供を流産してしまう。
清水崇監督は、日常に潜む非日常や心理的不安を演出するのが得意ですよね。油断してると不意打ちが来て驚かされます。
止まらない悲劇の連鎖
箱に関わったせいではないかと考えた一同は、鳴とその彼氏鷲尾真二郎の父親である寺の住職を頼る。夜中に1人、住職は箱に向かって経を唱え続けるが突如死亡。寺も燃えてしまう。
翌日、警察署で監視カメラをチェックした所、寺に火を付けた響が映り込む。医師である野尻から統合失調症の診断を受けた響は入院させられることに。
不幸は続き、美優も赤ん坊の泣き声を追い失踪。輝と鳴と真二郎の三人はスマホのGPSを頼りに樹海へと向かうがスマホを持っていたのはパトロールをしている人間(出口と田中)であり、夜は危険と忠告され、落胆しながら帰路に着く。翌日、医師の野尻は左手の薬指を切り落としビルから飛び降り自殺し、その下にいた輝も巻き込まれて死亡。樹海から美優の死体も発見されてしまう。悲しみに暮れる鳴と真二郎。料理を作っているはずだった真二郎は会話をしながら自分の指を包丁で切り落とし、首を切り裂いてしまう。
ようこそ、樹海村へ
真二郎が緊急搬送された病院で偶然出口と出会う鳴。冒頭で運転していた中年男性は出口であり、保護した少女2人は響と鳴ということが判明。響の部屋で樹海にある村の手掛かりを見つけた鳴は、突如出現した箱を昼間の樹海村に戻す。道中、悲惨な現場を目撃してしまった鳴は気絶。目を覚ますと村で手足を括り付けられ、無数の村人の霊達に囲まれている。輝と美優の霊が鳴の左手の薬指を切断しようとするが、かつて娘たち2人を助けるため犠牲となった母親琴音の霊が現れ、切断役を自ら買って出る。目を閉じる鳴。しかし、実は切断したのは琴音の小指。そんなことも知らず喜ぶ村人の霊たち。琴音の目的はあの時と同じように娘を助けることだった。
終わりの始まり
樹海から抜け出そうとする鳴を指が偽物だと気付いた村人達が追いかけてくる。そこに現れたのは精神病院にいるはずの響。どうやら鳴を助けるために自分の生霊を飛ばしてきた様子。響と一緒に逃げようとする鳴。しかし、手を握ると、響の左手の薬指が無くなっていることに気付く。響は村人達にしがみつかれると大きな樹となった。鳴は今度は一人で帰路に着くことになった。
ミッドクレジットで少女が誰かを探している。車庫に置かれた箱。少女は「ひびきちゃん」と呼ぶが、箱が「きちゃだめ」と叫ぶ。
考察① コトリバコの正体
コトリバコとはそもそも2ch発祥オカルト系の怖い話。箱の中には動物の血や子供の一部が入っているらしく厳重な封をしているものの扱いが難しく、幼い子供や子供を産むことができる女性を徹底的に呪い殺す代物とのこと。しかし、今回の映画『樹海村』で登場したコトリバコは箱に出会った時点で何らかしらの不幸もしくは死が訪れ、コトリバコの中に左手の薬指を切断して入れることで樹海村の住民になれるというどちらを選んでもロクでもない仕様に変更されている。但し、何を逃れたと思われるのは、真二郎(1回)、響(1回)、鳴(2回)。親族または血縁の近い者が身代わりとなることで助かる…?とミッドクレジットまでは思われたのだが
考察② ミッドクレジットの少女
登場した少女の名前は「わしお ねね」。一瞬映り込む父親には真二郎と同じ傷跡が見受けられ、自分で首を切ったあと緊急搬送され生死不明だったが、生き残っていたようだ。ということはおそらく母親は鳴ということになる。結局琴音が、響が身代わりとなり守ったものの、一族もしくは血縁者の前に再度箱は現れているので、血縁者を根絶やしにするまでこの不幸は終わらないのかもしれない。
おわりに
『犬鳴トンネル』では村を、『樹海村』ではコトリバコを、『牛首村』では捨て穴が呪いの象徴として描かれていました。先祖、親子・姉妹、双子を取り巻く因果と血筋。血筋の三部作という名前に相応しい作品でした。
以上。
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