あらすじ
「DCミニ」それは他人の夢を共有できる魔法の装置。
そんな装置を使い、他人の悩みや病気を治していく謎の少女パプリカ。
そして、ある日、精神医療研究所から「DCミニ」が盗まれる。
研究所に勤める主人公千葉敦子と粉川刑事は「DCミニ」の悪用を防ぐため捜索を始め、犯人の恐るべき意図を知ることとなる。
予告
配信サイト
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※2022年7月の配信状況になります。
最新の状況は各配信サイトをご確認下さい。
ここからは映画『パプリカ』の考察を行う為、重大なネタバレを含みます。未視聴の方は、十分にお気を付け下さい。
起
精神医療として、他人の夢に入り込み、神経症などの原因を探る手段として極秘裏に開発された「DCミニ」。そんな夢のようなデバイスを使用し、治療に用いるのは、謎のサイコセラピスト・パプリカ。彼女の正体は、研究所に勤める主人公の敦子の裏の顔だった。しかし、ある日、「DCミニ」が何者かによって盗まれてしまう。他人の夢に無断で侵入できるということはその人を思うままに操られるということ−−−。理事長と話をしている最中、敦子の上司である研究所の所長が不可解な言動を始めガラスを突き破り外に飛び出してしまう。意識不明になった所長の脳にダイブするとそこには奇妙な無機物のパレードが…。パレードの中には、時田の助手・氷室の姿がありました。悪用を防ぐ為、サイコセラピストの敦子、研究所の職員・小山内(おさない)、DCミニの開発者で同僚の時田、事件を追う粉川刑事の4人で各々の視点から物語の真相に迫っていくことに。
承
所長の夢の中のパレードにも姿のあった時田の助手・氷室が怪しいと睨んだ敦子・小山内・時田の3人は、無断欠席中の氷室の自宅に向かうことに。しかし、眠ってもいない敦子は、彼の自室で気付けばベランダの柵に手を掛けて危うく転落する所を小山内に助けられることとなりました。手掛かりも潰えたかのように思えたが、時田のTシャツの柄と氷室の自室で見た幻から、彼の好きだった遊園地を導き出し、現場に向かうことに。すると突然頭上から「DCミニ」の副作用により本人とは思えない姿となった氷室が落ちてきました。開発者として責任を感じた時田は、意識不明となった彼の脳にダイブすることに。しかし、時田もまた悪夢に囚われてしまうことに。
転
そんな時田を救う為、敦子はパプリカとして彼の脳にダイブする。そして、夢の中で、理事長と小山内が犯人であることに気付く。小山内は好意を抱いていた敦子を強引に自分のものにしようとするが、駆け付けた粉川刑事によって射殺される。「DCミニ」の力により、人々の夢を飲み込んでいき肥大化する悪夢は遂に現実世界も侵食していく。そんな不運も重なり、夢の中で死亡した小山内は、現実世界でも死を迎える結果となる。夢と現実が混じり合っていく世界を飲み込み大きく膨れ上がっていく理事長と相対する敦子は時田への愛を胸に、パプリカと融合。幼女の様な姿で立ち向かう。膨れ上がった理事長を大きく息を吸い込むように吸収していくパプリカ。理事長はどんどん小さくなり、パプリカは大きくなっていく。
結
パプリカに力を奪われ、次第に夢と現実の狭間が鮮明になっていくことで、事件は収束。パプリカと融合し、以前よりも少し素直になれた敦子は、粉川刑事に、時田と結婚することを報告する。
犯人の目的とは
小山内が所長に協力していた理由は、敦子を自分のものにするためでした。では、所長の目的はどうでしょうか?筒井康隆原作のSF小説『パプリカ』では二人は肉体関係にあった様ですが、今回映画版では師弟関係にある様にも思えます。そんな所長の目的はズバリ小山内の肉体を乗っ取ることでした。若さだけではなく、車椅子生活からオサラバするために、「DCミニ」を悪用し、夢と現実の狭間を曖昧にしようとしたのでした。但し、映画のストーリーを読み解くだけではどうも所長が小山内に固執する理由までは分かりませんでした。
今敏監督の作品は他にも沢山ありますがおすすめは『パーフェクトブルー』です。びっくりして欲しいので何も語りません…笑
以上。