映画『犬鳴村』の簡単なあらすじと共に劇中に潜む謎を徹底考察していきます。
あらすじ
予告
まだ『犬鳴村』を観ていない方は…
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※2022年11月の配信状況になります。
最新の状況は各配信サイトをご確認下さい。
実在する心霊スポット・犬鳴トンネル
劇中に登場する犬鳴村への入り口とされる犬鳴トンネル。このトンネルは、福岡県の犬鳴峠に実在し、最恐の心霊スポットとして有名です。実際に殺人事件の現場となっているだけではなく、幽霊の目撃情報や肝試しに行った人物が事故にあったりとその曰く付きは伊達じゃありません。また、都市伝説では、地図上にない犬鳴村がこの先に存在されているとし、「この先日本国憲法通じず」という看板や村人に襲われたとの証言も…。とても遊び半分で行っていい場所ではないことがよく分かります。
監督
そんな実在する心霊スポットをテーマにした映画を作り上げたのが、『呪怨』シリーズで有名な清水崇監督。所々で感じられるゾクリとするシーンは、呪怨テイスト満載です。ホラーが苦手な方はネタ振り全開の『犬鳴村 恐怖回避ばーじょん』をどうぞ。
血筋の三部作
清水崇監督の2020年公開の『犬鳴村』、2021年公開の『樹海村』に続く2022年公開の恐怖の村シリーズ第3弾『牛首村』。清水崇監督はこれらを「血筋の三部作」と表現しています。その由縁は、ぜひ全作品を視聴して感じ取って見て下さい。また、作品通しの繋がりは非常に薄く、犬鳴村さえ一番最初に観れば視聴に問題はないかなと思います。
アッキーナは概念です。あまり気にしないで下さい()
視聴後の閲覧を推奨します。
悠真と明菜
奏の兄悠真と恋人の明菜は心霊スポット犬鳴トンネルの先、犬鳴村に肝試しに行ったことから事態は急変し始めます。明菜がわらべ唄を口ずさみ、最終的に鉄塔から飛び降り自殺。しかし、のちに判明した彼女の死因は溺死…。責任を感じた兄の悠真は友人3人を引き連れて再び犬鳴トンネルに向かいます。到着するとトンネルはバリケードで完全に封鎖されており、あの時はこんな物なかったのに!と悠真は激昂します。止める3人をその場に残して、悠真はバリケードを登り、トンネルの中へ。こっそり付いて来ていた弟の康太も悠真を心配して中へ。悠真と康太は沢山の何者かに囲まれて行方不明となってしまいました。加えて、友人3人も電話ボックスの中に閉じ込められて溺死してしまうことに。不審死の輪はどんどん広がり、主人公森田奏の病院に努める森田家の主治医である山野部も病院のベッドの上で溺死します。
謎の青年・成宮健司
犬鳴トンネルを訪れた森田家と警察。取り乱した母も突然父に噛み付くと、わらべ唄を口ずさみ、おかしくなってしまいました。昔から父は母親に対して辛く当たっていた為、何か事情があるのではと、奏は母方の祖父の元へ向かいます。そこで知ったのは、祖母は、祖父の家の前で倒れていた子供であったこと、不思議な能力を持ち他人の妊娠や死亡を言い当てたりと、何かが見えている様子だったことでした。その話を聞いた奏は、祖母と縁側で男性の霊を一緒に見たことを思い出しました。思い出したことがトリガーになったのか、再び男性の霊が見える様になりました。男性の霊の正体は成宮健司、犬鳴村の村人でした。連れられてやって来た映写室のフイルムで、奏は犬鳴村の悲劇を目の当たりにします。
過去に犬鳴村で起きた悲劇
貧しい村で山犬を狩りその肉を分け合い、毛皮で日用品をこしらえる村人達。そこにやって来たのがとある企業。企業の目的は、ダムの建設。その為にはこの村が邪魔でした。企業は、村人は犬を食べており、女も犬と交わっていると悪い噂を立てて、村人が厄介者扱いされる様になったところで彼ら毎ダムの底に沈めてしまったのです。この企業のリーダーが父方の祖父でした。悲劇を止める為に、奏は犬鳴村を目指します。
犬鳴村へ
犬鳴村はとうの昔にダムの湖の底。では、悠真と明菜は何故犬鳴村に到達できたのでしょうか。奏は、二人が深夜2時に電話ボックスを利用していたことを思い出し、犬鳴村への侵入に成功します。民家の檻に囚われた兄悠真と弟康太を助けると、とある女性の出産場面に立ち会います。彼女は成宮健司の恋人であり、生まれた赤ん坊を村の外に出して欲しいと、彼から頼まれます。しかし、恋人の女性は「赤ん坊を返して!」と恐ろしい剣幕で、村人と共に追い掛けて来ます。トンネルに差し掛かったところで、女性はみるみるうちに獣の様な姿に変貌。成宮健司と悠真が足止めをしている際に、奏と康太は赤ん坊と共に脱出することに。
脱出の果てに
トンネルを抜けて辿り着いたのは見慣れた祖父の家でした。家の庭の前に赤ん坊を置き、隠れていると、祖父が赤ん坊を拾い上げ家の中に入っていきます。この成宮健司と恋人の摩耶の子である赤ん坊が奏の祖母だったのです。その後、湖から浮かび上がって来たのは悠真の水死体でした…。自らの血筋のルーツを知った奏は全てを受け止め生きていくことを決めます。それは犬化という呪いも受け入れるということでした。
考察
遼太郎
物語の冒頭でも登場した、奏が病院で担当している少年遼太郎。彼に付き添う母親はどうやら産みの親ではなく、実の母親の霊が、奏と遼太郎には見えていました。その遼太郎が、エピローグで犬化の予兆を見せます。恐らく本当の母親は犬鳴村の血筋なのでしょう。それならば、母親の霊が奏と遼太郎にだけ見えたのも納得できます。これは成宮健司が見えたのが奏と祖母だけだったのも同じことが言えます。
村人からの呪い
森田家の人間は呪いに関わっても死亡していません。唯一死亡した悠真も当時の犬鳴村に残ったことでダムの底に沈んだため溺死しただけだと思われます。但し、父が影響を受けず、妊娠していた明菜が死亡したのは不思議でなりません。わらべ唄の歌詞の「あかごはみずにながしちゃろ〜」が関係しているのでしょうか…。トンネルの前まで行って死亡した悠真の友人3人と一切影響を受けていない父との差を見ると、森田家ではあるが犬鳴村の血筋ではなくむしろ恨む相手である父は、トンネルの中に入らなければ手を出せないのかもしれません。
ex.エンドロールに女性が映っているという噂
真偽は定かではないですが、エンドロールの2分50秒からトンネルのズームアップがされていく中、女性の顔がバリケードの向こうから覗いているという映り込んでいるとのこと。よく見ると確かに女性の顔の様なものが見えなくもありません…。
以上。
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