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【ネタバレあり】映画『忌怪島/きかいじま』のあらすじ解説とラストを考察【鳥居破壊は◯◯◯◯】

 

 

 

あらすじ

最先端のVR研究施設がある孤島。そこで、VRの仮想世界と現実世界が交錯し、島に伝わる呪いが現実となって人々に襲い掛かっていく。

 

予告

映画『忌怪島/きかいじま』本予告/6月16日(金) 公開

 

清水崇監督の島シリーズを観る前に村シリーズはもう見ましたか?

(繋がりがないのに勧める)

 

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ここから先は映画『忌怪島』のネタバレを含みます。
視聴後の閲覧を推奨します。

 

 

 

 

解説

 


惨劇の始まり

園田哲夫がVR世界の浜辺で赤い服を着た女性に襲われる。異変を感じた井出文子が続けてVRゴーグルを付けて仮想世界に入り込むが、鎖を引き摺る音を聞き同じ様に襲われる。

 


忌怪島へ

脳科学研究者の片岡友彦はVR研究を行っているプロジェクト「シンセカイ」の担当者である同じく脳科学研究者の井出文子からオファーを受け、忌怪島に足を運ぶ段取りとなっていた。島に着き、プロジェクトチームメンバーの山本、北島、深澤、三浦の4人から挨拶をされるも友彦は知らんぷり。島全体をスキャンで取り込んだ「シンセカイ」に友彦独自のセッティングを加え、メンバー全員で入る。潮の匂いが感じられる様になった。突如ノイズが走り友彦だけ暗い浜辺に一人になる。足に鎖がついた赤い女が一軒家から近付いてくる。動揺する友彦だったが、深澤にVRゴーグルを外されログアウト。ギリギリの所で戻ることが出来た。友彦の服は濡れており、ただならぬことが起きているようだ。見当たらぬ井出のことをメンバーに聞くが、実験中の事故で亡くなったことを知る。

 


リン①

「シンセカイ」の身の回りの世話をしているシゲルは子供から石を投げられたり他人から無視されている。そんなシゲルの元に内緒で弁当を届けようとしているリン。同級生3人から、「お前も除け者になるぞ」と脅され弁当を投げ捨てられる。弁当を拾い抵抗するリン。いじめられるだけの弱い女の子ではないようだ。

 


ユタ

バスの故障で目的の場所に辿り着けず迷っていた友彦は、市役所で園田哲夫の遺骨を受け取っていた園田環(たまき)と再び出会う。どうやら彼女もまた道に迷っているらしい。偶然二人が居合わせた場所で待っていたのは、この島では「ユタ」と呼ばれる霊能力者(シャーマン)南トキと出会う。友彦と環はトキから霊視で、双方の身近な人間が同じ時間に死んでいるらしく、ここに来たことも偶然ではないと告げられる。環の父・園田哲夫の家に一緒にやってきた友彦は、自分がVR世界で赤い女を見た一軒家がここだったことに気付く。

 


バグの解析①

メンバーに園田哲夫と井出文子のことを聞く友彦。皆から蒸し返すなと言われるが、同時刻に二人が死んでいるのはおかしいから調べるべきだと反論する。VR内で記憶や思考を他人と共有するブレイン・シンクロニティの研究をしていたことが分かり、身体は無くなったが、データとして二人は生きているのではないかと仮説を立てる。二人のデータに残されたバグを解析するため、メンバーの脳波をプログラムに取り込むが、バグの原因が分からず停滞。しかし、環との会話からヒントを得て、霊能者であるトキが環を霊視するタイミングの脳波を取り込むことに。トキの手を環が握ると、父の哲夫が現れ島から出ろと伝える。霊視が終わりトキが環の手を離すが、環がまだ父と話したいとトキの手を握ります。しかし、それは黒ずんだ赤い服の女の手だった。仮想世界だけではなく現実世界も侵食していく。

 


バグの解析②

トキの脳波を取り込むのに時間がかかるので一旦解散に。その夜、酔っ払った北島が職場に現れ、解析終了した「シンセカイ」にVRゴーグルを装着して勝手に入り込もうとする。水の音が聞こえたかと思えば、床一面が水浸しになり目の前に鳥居が現れる。鳥居を潜った後振り向くともう部屋はなくなっており、現れた赤い服の女に水中に引き摺りこまれてしまった。

 


バグの解析③

翌日、メンバーが職場にやってきて水浸しになった部屋を見て狼狽える。どうやら井出さんの死亡時と状況が酷似しているらしい。データの中にいた赤い女が何らかの影響でこちらにやってきたのかもしれないと友彦が推測する。

 


新たな犠牲者

市役所の職員・肥後、友人の秋奈と栄の三人は飲み会帰りで林の間を歩いている。肥後が立ちションを始めると、秋奈が木の根元を見て叫び走り去る。肥後が上を向くと手が伸びてきて木の根元に連れて行かれる。それを目撃していなかった栄が木の根元に近付くと、そこには木に絡まって死んでいる肥後と隙間から除く女の顔が見えた。

肥後の葬式に現れたシゲル。「何をしにきた。ここはお前のくる所ではない」と言われますが、「葬式は村八分に含まれないはずだ」と言い返好き。一方その頃、メンバー達はプログラムを消去しようという意見で一致していた。

 

恒例のアッキーナきたーーーー!(人違い)


赤い服の女の正体

一部始終をトキに伝えると、赤い服の女はイマジョらしい。イマジョは奴隷の若い女で、領主に慰み者にされたことで領主の本妻の怒りを買い、苦痛を与えた後に鳥居に鎖で磔にされたまま放置され、満ちてきた海水で溺れ死んだのだと言う。そして、イマジョが死んだら村では異常な死に方をする者たちはイマジョの呪い、おかしくなった人たちはイマジョ憑きと呼ばれた。鳥居が現世と仮想世界を繋いでいるらしく、このままでは島は死人で狂人で溢れると言われる。それを防ぐためには、イマジョをあの世に戻しこちらの門を閉じるしかないらしい。

 


決行

なぜイマジョが「シンセカイ」に入り込んだのか、その原因を知りたい友彦はVRゴーグルを装着して仮想世界に入ろうとする。三浦がVRゴーグルの反射でイマジョが映り込んでいることに気付いた瞬間、床が液状になり連れて行かれる。友彦が三浦を救うものの、友彦だけ「シンセカイ」に取り残され、赤い服の女に水中に引き摺り込まれる。環は仮想世界の鳥居ではなく、この島にもあるはずの鳥居を破壊しなくてはいけないのではないかと言う。山本が鳥居に単独向かいノコギリで切り落とす直前引き摺り込まれるが、鳥居はなんとか倒れる。一方、友彦達の前に現れたシゲルは「イマジョを解き放つ」と言い、鉈で機材を破壊する。「シンセカイ」が破損し、友彦は生還。友彦は呆然となるが、脳波のデータの中にシゲルーズのデータが繋がれていたことに気付く。

 


シゲルの過去

シゲルのデータをPCで読み取る。シゲの母親は突然人が変わったように島中の人間をたぶらかして回り、それを見た父親は自殺。母親はイマジョ憑きと言われ、その息子であるシゲも村八分となった。正気に戻った母親がシゲを見つめると、シゲの手元には鉈が転がっていた。

 


リン②

リンがシゲルを訪ねてやってくると、シゲルはイマジョの掛け軸や祭壇のある部屋にリンを閉じ込める。「開けて、なんでこんなことをするの」と言うリンに、「危険だからここにいろ、これから島は地獄になる」とシゲルは言って立ち去る。時間差で環がやってきてリンを助ける。掛け軸が落ちて、後ろの壁にシゲルーズの母親が埋まっていることが判明した。シゲルは高い場所から沢山の折り鶴を投げた後、「おっかあ、待たせたな」と言い、落下して死亡した。

 


友彦と環①

友彦は再び「シンセカイ」に、環・三浦・深澤は鳥居の完全破壊を目指します。北島と山本が遺体として浮かび上がる中、浜辺に上げた鳥居に火を付けようとするが、そこにイマジョが水中からやってくる。環が襲われそうになった所で、水中から現れた友彦の手がイマジョを「シンセカイ」に引き摺り込む。環が鳥居に火をつけるとイマジョの姿は完全に見えなくなった。海に沈んでいく友彦に誰かが手を差し伸べる。引き上げてくれたのは環だった。「おかえり、友彦君」「ただいま、環さん」水浸しの部屋で二人は抱き合う。

 


友彦と環②

船で島を出る環。後ろから友彦がやってくる。他の乗客はいないようだ。鎖を引き摺る音が聞こえ、破壊したはずの鳥居が見える。二人は遠くを見つめながら手を握り合うのだった。その手にはビジターの文字が光っていた。

 


リン③

リンが浜辺で三味線を弾きながら、シゲルが歌っていたイマジョの唄を歌う。目の前に佇む鳥居に向かって歩いていくリン。徐々に海の中に沈んで行き完全に姿が見えなくなる。イマジョの歌声が聞こえてきた所で終了。

 


考察

 


鳥居の破壊は…

失敗したのか。鳥居は間違いなく破壊しました。そのため、友彦・環・リンが鳥居を見たということは三人とも仮想世界にいるということになります。…本当に?

 


物語開始直後から…

仮想世界にいた説。ポイントがいくつかあります。まずは友彦と環が園田哲夫の家に向かって歩くシーン。「誰ともすれ違わないね」という環に、友彦が「スキャンしたプラットフォームみたいだ」と言います。これは友彦が変わった研究者だと特徴付けるシーンではなく、VRゴーグルを初めて付けたシーンから既に取り込まれていて既に仮想世界にいるということかもしれません。次に、北島死亡時にPC画面の向こうにPC画面が見えるという光景が永遠に続く場面。イマジョの力が増し、仮想世界も何層にも分かれ、引き摺り込まれるという行為は一段階下の仮装世界に落とされるのかもしれません。つまり、友彦は沈められた時仮想世界③に移動、環に引っ張られ仮想世界②に引き上げられ、現実だと思われたシーンは仮想世界①だったということです。これならシゲルが高いところから飛ばした折り鶴が、室内であるはずの友彦の元に届いたのも説明が付きます。シゲルの言う「これから島は地獄になる」と言うのは永遠に仮想世界を繰り返し殺され続けることなのかもしれません。


以上。

 

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