- あらすじ
- 予告
- ニムが運転中に見つけた犬の死骸
- 就寝中のミンを見つめていた盲目の女性
- この車は赤い
- バヤンの像は誰が壊したのか
- なぜニムは死んだのか
- ノイに取り憑いたのはバヤンなのか
- バヤンの正体は
- 儀式はどうすれば成功していたのか
あらすじ
タイ東北部の村には代々受け継がれる祈祷師一族が住み、精霊の存在が信じられている。若く美しい女性ミンが原因不明の体調不良に見舞われ、人格が変わったように凶暴な言動を繰り返すようになる。母親は祈祷師である妹のニムに助けを求め、ミンを救うために祈祷を行う。しかし、ミンに取り憑いているのはニムの想像をはるかに超える強大な存在だった。
予告
視聴後の閲覧を推奨します。
ニムが運転中に見つけた犬の死骸
姉ノイの夫ウィローの葬儀に向かう途中、車から降りて道路に横たわった何かを険しい表情で見つめるニム。これは首の無い犬の死骸だと思われる。これは夫ウィローの家系であるヤサンティア家が沢山の人間の首を刎ねた家系であること、そして代々、禁じられている犬肉の販売を行なっていることが関係している。これから立て続けに起きる不幸の前兆だと捉えることができるし、人為的な物の可能性もある。後述する。
就寝中のミンを見つめていた盲目の女性
盲目とは視覚を失うという以外に失った分目には見えない神秘を享受する・感じ取れるようになる、だとか、神や霊的な真理を認識する能力が喪失する等と言われることがある。盲目の女性は神秘的な何かに導かれミンの元にやってきたが、それは邪悪な存在だった為、命を落としたのかもしれない。また、就寝中のミンを覗き込む盲目の女性は何かを確かめようとしているようにも思える。
この車は赤い
冒頭で赤い服を吊るしている民家が写り込む。タイでは赤色は魔除けや厄除けの効果があると信じられている。ニムの黒い車に貼られた「この車は赤い」というステッカーを見た祈祷師サンティは撮影班にそのことを伝える。撮影班から「どういう意味ですか?」と聞かれたサンティは完全に馬鹿にした様子で笑うが答えない。これは、
- 黒は不吉で赤が良いと信じながら、新しい(赤い)車を買い替えるお金が無くステッカーで誤魔化すなんて馬鹿らしい。
- そんなステッカーで赤だと誤魔化せるなら悪霊なんて大したことはない。
- そんな迷信に縋り付くニムに本当にバヤンが見えているのか?そんなはずはない。
という様々な感情からわざわざ撮影班に紹介したと思われる。バヤンを継承したはずだが声は聞こえず姿も表さない、本当にバヤンなんているのか?とでも聞こえてくるような弱々しいニムの神頼みのようにも思える。
バヤンの像は誰が壊したのか
最悪のタイミングで頭部を叩き落とされたバヤンの像。ニムは崩れ落ち泣き叫ぶ。物語の後半、ミンは釘を打ち付けたはずの部屋から抜け出したり、赤ん坊の声を出したり、超常的な力を発揮している。文化に根付いた信仰の中心である女神バヤンの像を破壊したとなると、手段は不明だがニムに取り憑いた悪霊たちの仕業であるのは間違いない。
なぜニムは死んだのか
ニムには元々バヤンを感じる程度の力しかなかった。だがそれもそのはず、バヤンはノイに継承を求めていたが、ノイはニムに無理矢理なすり付けたからだ。その事実を知ったことでニムは心を痛めた。ノイから「バヤンの声は聞こえないのか」「バヤンの姿を見たことがないのか」と聞かれたことで、自分の信仰心に疑いを持ってしまった。とどめにバヤンの像は破壊されてしまった。悪化していく状況に遂に心が折れてしまったニムはバヤンへの信仰心を失ってしまう。そして、バヤンは祭壇にうじ虫を出現させ、ニムは眠ったまま死ぬこととなった。
ノイに取り憑いたのはバヤンなのか
個人的解釈だが、恐らくバヤンである。ニムには感じ取れなかったバヤンをノイが感じ取れるのはノイがバヤンに選ばれた継承者だからと考える。
バヤンの正体は
邪神である。バヤンに選ばれた巫女は、受け入れるまで腹痛と膣からの出血が続く。また、信仰心を失ったものには死を与えるその姿は人間を自らの所有物だとしか思っていないことが分かる。当然継承から逃れようとしたノイの力を借りて降臨した時も儀式を再度失敗させ、事態を悪化させている。ノイは巫女を拒否しただけではなくバヤンが次に選んだ巫女である娘ミンを改宗させようとしたり、ノイ自身の行いも悪かったことは否定できないが、バヤンもまた正しい神ではない。
儀式はどうすれば成功していたのか
ミンに取り憑いた悪霊たちは終始ニムの弱体化に努めている。それは正しくバヤンの力を扱うことができるニムが強力な存在だと分かる。また、ミンをバヤンの継承者とする儀式を途中ニムが拒否するシーンがある。もしかしたら、悪霊が取り憑いた状態でバヤンを降ろすと危険なことになるのを事前に察知したのかもしれない。姉のノイが妹のニムを信用しなかったことはニムが自らの信仰心を失うきっかけとなり結果破滅へと至った。では、どうすれば避けられたのか。結果から言えばこれは避けられない顛末だったと言える。
- ノイがミンをキリスト教に改宗させた
- ノイが間違えた儀式を頼みミンの状態が悪化
- 禁忌である犬肉販売は動物の恨みも買った
- ミンもバヤンを拒否した
- ミンは兄マックと近親相姦の関係にあった
悪化していく事態には必ず原因が映し出された。一番のポイントはエンディングでズームされたわら人形。見たところ真新しく、最近呪いの儀式に使用されたものだ。打たれた釘の数から相当強い恨みがあることが分かる。今もなおヤサンティア家は沢山の人間から死を願われており、冒頭の首の無い犬の死骸も呪いの儀式の一種の可能性もある。もし、ミンがバヤンの巫女になり呪いを回避したとしても周りに降りかかる悲劇は絶対に止められない。ヤサンティア家の死を願う人間たちと動物霊たちの恨みがある限り。
以上。
ブログランキング参加中!
1日1回ポチッと応援よろしくお願いします♪